こういうのが聴きたかった!これがスラッシュメタルだー!Exumer 4thアルバム『The Raging Tides』
ドイツ出身のスラッシュメタルバンド、Exumerの4thアルバム『The Raging Tides』をご紹介。2016年リリース。
80年台のバンドにありがちな経歴
このバンド、1986年に1stアルバム、そして翌年の1987年に2ndアルバムをリリースするも、その後解散しています。
しかし2001年。メタル・フェスに際して一日限りの再結成。
残念ながらここでは活動再開に至らなかったようで、さらに8年後の2009年にデモEPをリリースするまで音沙汰はありませんでした。
そして2012年、3rdアルバム『Fire & Damnation』で見事(?)カムバックを果たしました。
今回の4thアルバムは、そんな彼らの最新作です。
ピュア・スラッシュメタル
音作りは、まさにピュアなスラッシュメタル。
数多くのメタルバンドが通ったあの90年台に、彼らは絶賛解散中でした。
それが功を奏したのか、まるで時代を超えてきたかのような音を鳴らしています。
重々しい雰囲気や、ドロドロとした展開などはありません。
Kreatorのように、過剰なまでの速さを求めるわけでもなく、クロスオーバーのように明るく騒いでいる感じでもありません。
小気味良く刻まれるリフは分かりやすく、適度にキャッチー。
一度聴くだけで「そうそう、こんなのが聴きたかったんだよ!」と叫び出したくなります。
ボーカルの声もいい意味で癖がなく、聴きやすいと思います。
曲紹介
1曲目:The Raging Tides
オープニングを飾る "The Raging Tides"。
リズミカルに刻まれるメインのリフは、一度聴くと頭にこびり付いて離れなくなります。
ギターソロも最高に熱い!これは良い。
激しくてメロディアス。程よい長さ。
8曲目:There Will Always Be Blood
これまた印象的なリフが癖になる曲です。
後半にこういった曲を持って来れるのは強いですね。
アルバム全体がダレることなく、シャキッとします。
曲もアルバム全体も非常に高クオリティ
曲それぞれの良さもさることながら、アルバム全体(10曲)で35分というコンパクトさも魅力的です。
#3 "Catatonic" や#7 "Shadow Walker" といったミドルテンポの曲も、非常に格好いいです。
リフやメロディがしっかりとしているため、退屈さを感じることはありません。
アルバムとしての完成度は高いです。
必要以上に身構えて聴くこともないので、理屈抜きで楽しめると思います。
2016年にこんなアルバムに出会えて良かったです。
余談:ボーナストラック
ちなみに元々のアルバムは10曲入りですが、デジタル配信などでは12曲。
ボーナストラックが2曲ほど加わります。
どちらもカバー曲で、11曲目の "Forever My Queen" はアメリカのヘヴィメタルバンド、Pentagramの曲。
12曲目の "Hostage to Heaven" も同じくアメリカのヘヴィメタルバンド、Grip Inc.の曲です。
超かっこいいスラッシュナンバーです。
ご存知の方も多いとは思いますが、Grip Inc.は元Slayerのデイヴ・ロンバードが結成したバンドです。
そのため、原曲でドラムを叩いているのはデイヴです。
正直、原曲の方が格好いいです。
まぁこれは仕方ないですね。