新垣結衣と同年代のスラッシュメタルバンド、Eradicator 1stアルバム『The Atomic Blast』
ドイツの若手スラッシュメタルバンド、Eradicatorの1stアルバム『The Atomic Blast』を紹介します。2009年リリース。
略歴
あまりメジャーではないバンドなので簡単に経歴を。
結成は2004年。彼らが高校生の頃に遡ります。
メンバーは
- Guitar / Vocal:Sebastian "Seba" Stöber
- Guitar:Robert "Robb“ Wied
- Bass:Sebastian Zoppe
- Drums:Jan-Peter "Pitti" Stöber
の4人。
Sebastianが二人!紛らわしい!
ちなみにGt./Vo.のSebaとDr.のPittiが兄弟。同じStöber性です。兄のSebaが1988年生まれ。弟のPittiが1989年生まれです。
Gt.のRobbは未公表ですが、Ba.のZoppeも88年生まれ。
これはガッキーこと新垣結衣と同年代です。
だからどうしたって感じですね・・・
そしてこの1stアルバムでデビュー。当時の年齢は20~21歳。若い。
Metallicaのデビューと同じくらいです。
1stアルバムだがしっかりとした音・曲
20歳だし、1stだし、スラッシュメタルだし、スカスカのへっぽこなものが来ても仕方ないよね、と思っていた音は、意外に堅実です。
やや青臭くも、弱さを感じないダミ声ボーカル。やや軽いが、必要以上に走らないドラム。その下を支えるベース。
全編を通してなかなか締まった音。
若さ溢れる元気や疾走感、フレッシュさはありますが、安っぽさはありません。
スラッシュメタル meets NWOBHM
クロスオーバー系のパンキッシュさ。Exodus、Lääz Rockit、Death Angelなどの古き好きスラッシュメタルの音や激しさ。
さらには正統派メタルやNWOBHMの影響も感じました。
音そのものはスラッシュメタルのそれですが、その上に乗るリフは純粋なスラッシュというよりも、NWOBHMをスラッシュメタルに近づけたような雰囲気が強いです。
激しさよりも、メロディや和音に重きを置いている様子。
ジャンル分けするならスラッシュメタルになるのでしょうが、純粋な禍々しさや激しさは薄めです。
ギターソロは手堅く、曲とよく合っています。不協和音系ではなく、メロディアスなツインリードも結構多い。
「ギューーーンピロピロピロ・・・」と勢いで誤魔化している感はなく、無駄に速弾きに頼ることもありません。
曲紹介
#1:Possessed By The Devil
ブリブリベースから始まるオープニングトラック。
1曲目なのにスピードは並で、個人的には2曲目的な雰囲気を感じます。
ギターソロは結構格好いい。
初期Metallicaを思わせるような、ツインリードでメロディアスなソロです。
#7:Place Of No Return
「Judas Priestか?はたまたIron Maidenか?」みたいなドラマティックなツインギターから始まる7曲目。
ここまで来ると、胸を張ってスラッシュメタルと言いづらくなるような音。
前半と終盤がミドルテンポで、中盤の疾走部をサンドイッチした曲です。
おそらくこの疾走部がキモで、一気にカタストロフィを感じさせたかったのだと思います。
が、正直に言って凡常。むしろ、前半部や疾走前のスローテンポな部分の方が格好良かった。
まだ荒削りではありますが、個人的にこういった挑戦は嫌いじゃないです。
まとめ
1stアルバムらしく、フレッシュさがあって気に入りました。
リフが弱い。メロディが弱い。印象に残る曲がない。もうちょっと疾走しても良かった。など思うところはありますが、1stアルバムに文句言っちゃいけない。
時間と経験で自ずから改善していくでしょう。
期待の若手です。
2016年現在で3枚のアルバムをリリースしているようなので、活動は順調のようです。