30年以上のキャリアは伊達じゃない!キレたリフが冴える、Artillery 8thアルバム『Penalty By Perception』
デンマークのスラッシュメタルバンド、Artilleryの8枚目のアルバム『Penalty By Perception』です。
2016年リリース。
前作『Legions』で加入したボーカルのMichael Bastholm Dahl (マイケル・バストホルム・ダール)と、ドラマーのJosua Madsen (ジョシュア・マドセン)が引き続き参加。
つまり、前作と同じラインナップです。
相変わらずの安定度。偉大なるマンネリ
メンバーも同じですが、方向性も同じです。
基本的に前作の延長上にあります。
いや、延長上というよりも平行線上にあると言っても過言ではない。
まさにパラレルワールド。
正直、前作と今作の曲を入れ替えても違和感はありません。
それくらい同じ路線です。
ですが、AC/DCがデビュー以降どこを切り取ってもAC/DCなように、変わらぬ良さもあります。
何より、曲のクオリティは相変わらず高水準です。
なので、前作が好きだった人は今作も気に入ると思います。
スタッツァー兄弟による、ザクザク、というよりもシャギシャギ、ジャギジャギとした切れ味の鋭いリフは今作でも健在。
一曲目 "In Defiance of Conformity" からアクセル全開です。
アコースティックな雰囲気から、徐々に分厚いギターを重ねていく幕開け感。
「来るぞ、来るぞ・・・」と思っていると、期待通り左右からシャギシャギと切り刻まれるリフ。
攻撃的なのにメロディアス、激しいのにキャッチーというArtilleryサウンドは、些かの衰えも見せません。
サビのメロディが非常に印象的です。
これが55歳のオッサンが奏でるサウンドでしょうか!?
(ちなみにギタリストのMichael Stützer(兄)は、8月10日で56歳になります)
でも、開始数秒の謎のSE?虫の音?はいらなかったのでは・・・と思う。
雷の音くらいで良かったのでは。
歌えるボーカル
そして、今作のサウンドを支えるのは、ボーカルのマイケルと言っても過言ではありません。
前作ではゲストボーカル感が強く、やや浮き気味でしたが、ようやく一つになりました。
スラッシュメタルには珍しい「歌えるボーカル」で、四天王ならAnthraxタイプ。
中音域~高音域まで高らかに歌う、ハードロックやパワーメタル、正統派メタル風の声質です。
まぁ好き嫌いはあるでしょうね。うん。
ちなみにマイケルは、Ripeというバンドでアルバム『Eloquence Of Silence』を出しています。
「マイケル」と書いているけど、Michaelなので「ミカエル」の可能性もあります。
だってデンマークのバンドだもん。
音は格段に良くなった
今作は随分と音が良くなりました。
音圧が強くなり、非常にクリアになりました。
前作は篭っていた。ザラザラとしていた。金がなかったのか?
それもあって、綺麗なボーカルの声と違和感がありました。
今後もこの音でお願いします。
今作も買い
前作が気に入った人は間違いなく買いです。
先日書いたParadoxと同様、期待を裏切らないメロディアスなスラッシュメタルアルバムです。
ParadoxとArtillery。共に90年までに数枚のアルバムをリリースして解散し、2000年頃に復活するも、また8年前後間が空くという・・・
アルバムとしても、そしてバンドとしても一体感が出てきました。
このメンバーで三枚目出るでしょうか。