一枚で解散するなんて勿体無いほどの完成度…。スペインの刺客、Steelgar『Xenocide』
スペインのスラッシュメタルバンド、Steelgarの1stアルバム『Xenocide』を紹介します。2010年リリース。
残念ながらこの一枚のみをリリースして、現在は解散してしまったようです。
公式ページは残っていますが、2011年あたりから更新は途絶えており、Facebookページも削除されたようです。
ちなみに全くの余談ですが、バンド名はフランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』の一節からだそうです。
デビューアルバムとは思えない完成度
スペインのバンドですが、特にスペイン要素はありません。
(スペイン要素:フラメンコ)
爆走型のスラッシュメタルではなく、Metallica、Anthrax、Exodusなどの古き良き時代の雰囲気を感じるサウンド。
ベイエリアスラッシュの要素もありつつ、正統派HMからの影響もうかがえます。
ザクザクとうねるように刻まれるリフが良い。
ミドルテンポの曲も多いですが、スピードに緩急があり、退屈しません。
後半から疾走したり、曲調を変えたりと展開もしっかりとしています。
ボーカルはダミ声過ぎない感じで、マイナーなスラッシュメタルとしては聴きやすい部類だと思います。
ちょっとしゃがれた中音域のロブ・ハルフォードのよう。
曲紹介
1曲目:Injected
Matallicaの "That Was Just Your Life" のような、不穏な雰囲気のアコースティックから始まる1曲目。
静寂を斬り込むようにメインのリフが入ってきます。
数回繰り返した後に、ツインギターでハモる展開は胸熱。
AメロのバックのリフはMetallicaの "Whiplash" のオマージュとも取れそう。
6曲目:Hunter on Prowl
個人的にお気に入りの6曲目。
前半は疾走。中盤からはスピードを落として、ドラマティックな雰囲気に変貌します。
執拗に繰り返されるリフが怪しげで印象的。格好いいです。
SEとして鐘の音を取り入れているのもアクセントです。
残念ながら動画は見付からなかった・・・
まとめ
10曲で45分程度。アルバム一枚を通してちょうどいい長さでした。
一曲一曲のクオリティが非常に高く、どの曲もしっかりとした個性がありました。
この一枚で終わってしまったのが本当に悲しいです。
活動を続けていれば、さらにいい作品を出せたと思います。
大きな声では言えませんが、全部聴きたい方は是非「アルバム名+full」でYouTubeから検索してみて下さい。